高層団地郡周辺だけで語られている噂話“時刻は決まって夕暮れ、場所は高層団地群の中。背後から「はぁはぁ…」と走ってくる少女の息遣いが聞こえる。少女が背中をぽんぽんと叩く。決して振り向いてはいけない。そのまま団地郡の外へ脱出しなければならない。振り向いても誰もいない。振り向いたら最後、その人は三日後に必ず死んでしまう”サエコ先生との帰り道、団地の小道で誰かに肩を叩かれるルミ。噂を知らないサエコ先生は振り向いてしまった!そこには25号棟に住む少女のユキが迷子になって泣いていた。ユキを送ろうと25号棟を目指す3人は再び誰かに背中を叩かれる。通りがかりのサラリーマンも背中を叩かれたらしい。4人が同時に振り返ると、夕暮れの高層団地郡の穏やかな光景が続いているだけだった。しかし、その日からルミの周辺に異変が起こる。夜になると爪で黒板を引っかいたような不快な水の音が団地の隙間から聞こえてくる。音に導かれるように隙間のほうに近づくルミ、サエコ先生、ユキ、そしてサラリーマン。誘われるように屋上にやって来た4人のうち、突然サラリーマンだけが隙間の闇に落下してしまった。警察の捜査は続くが男の死体は出てこない。この事件を堺にルミとサエコ先生の日常が大きく狂っていくのだった……。(2005年制作・日本語)